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魚沼のオヤカタ論。 ー有限会社甘泉堂編ー

就職・転職を考える時、人は何を基準に「仕事」を探しているのでしょうか。

私事ですが、2度目の転職を考えている時、転職サイトにびっしりと刻まれた某会社社長の想いに興味を持ちました。
大きな会社ではなかったけど、社長の活きた声はしっかりと私の中に届き、この社長の下で働いてみたいと思ったことがきっかけで、その会社に転職を果たした過去があります。

『魚沼のオヤカタ論。』では、市内事業者のオヤカタの、仕事に対する姿勢や内に秘めた熱い想い、きれいごとだけではない現場の話などを伝えていきます。
私と同じように、この記事を読んでいるあなたの、就職、転職先を考える一助になることを願って。

 

お菓子は社会的に必要なもの。
お菓子屋のライフラインでいたいですね。

有限会社甘泉堂 代表取締役社長 和田 大和 氏

 

 

お菓子屋さんと言えば、今も昔も子どもが将来なりたい職業の上位にランクインする仕事。
魚沼の地で創業70余年の老舗菓子店「甘泉堂」は近年店舗の雰囲気が変わり、店舗のリニューアルを行うなど勢いがあり注目をしていたところ、パティシエ募集の情報をキャッチ。
お話を伺うべく、有限会社甘泉堂 代表取締役社長 和田大和氏を訪ねた。

 

 

ー会社の成り立ちについてお聞かせください

 設立は70年ほど前で、祖父が旧柳原地区に構えた和菓子屋から始まりました。
「鮎もなか」が名物となり、父が継いだ後に洋菓子を取り入れ、湯之谷店を出店。
三代目の私は本町店、湯之谷店のリニューアルを手がけました。
昨夏には父から社長職を受け継いでいます。

 

ー社長が家業を継ぐまでの経歴を教えてください

私は4年制大学を卒業し、その後一年間製菓専門学校で学んでから、東京ミッドタウン内にある洋菓子店の他、東京や神奈川にある洋菓子店で6~7年修行させてもらいました。
新店舗のオープニングをさせてもらったこともあります。

そんなある日、父から「できるようになったなら戻って来い」と電話があり、30歳を機に魚沼に帰ってきました。

ー4年生大学卒ということは、当初はお店を継ぐつもりはなかったのでしょうか

あまりお店を継ぐことは考えていなくて、親も特に何も言いませんでした。
変わったのは大学3年生の時。
周りが就活しているのを見て、店を継ぐことを意識するようになりました。
大学生活の中でやりたいことが見つからなかった事もありますが、お店で働いていただいている方だったり、機材を失くしてしまうのはもったいないと思ったし、根本にいつかは継がなければという気持ちがあったのかもしれません。

 

ー製菓職人という仕事の魅力を教えてください

自分で作ったものが、お客様を喜ばせられるというところでしょうか。
作ったものを自慢してもらえるのが嬉しいですね。

ケーキやお菓子を食べる時ってほとんどが幸せな時や人を喜ばせたい時なんです。
そういう環境で働けるという幸せがあります。

あと、お菓子作りが今になってもまだ難しくて、思い描いているお菓子がなかなかできないのもまた楽しいのです。

季節によって材料の具合が違うので、同じ材料、同じ手順で作っても、その日の気候や湿度、色々なものに左右されてしまう。

それを把握して感覚で同じように作れるようになるのは一生かかる事かもしれません。

 

―まさに職人ですね
 仕事の大変なところを教えてください

労働時間は長いですね。
売れているということなので嬉しい悲鳴ではあるのですが、時期によっては夜遅く朝早いという時もあります。

あと、これはどうにもならないことですし、むしろ生産者の方の方が大変なのですが、フルーツが予定通りに入荷できなかったりすると楽しみにしていたお客様を悲しませる事になる時もあります。

私にとって「大変な事」とは自分への投資だと思っています。

修行していた頃、まず誰よりも厨房に居る時間を長くしよう、色々な仕事をさせてもらおうと思って仕事をしていました。
死ぬほど苦労はしましたが、続けるということはとても大切な事。
やる気次第でどうにでもなります。

現に私は器用な方ではありませんが、今お店を営業することができています。

「大変な事」を自分の投資として考え、努力し、技術に磨きをかけた

 

ー仕事をするにあたり、どのような人に向いていると思いますか

お菓子が好きと言うのが基本前提ですが、言い訳せずに目の前の仕事を一所懸命できる人でしょうか。
時々、この会社の環境が自分は合っていない、自分にこの仕事に向いていないとすぐ決めてしまう人がいるのですが、仕事に集中して没頭していればそのような事を考えている時間はありません。
何事も明るく元気に目標を持って取り組むことができれば最高ですね。

あと、独立心は大切です。
せっかく力を付けた仲間が独立するのはこちらも痛いところですが、向上心があれば仕事に熱中できますし、私達他のスタッフの刺激にもなります。
現在の工場長は女性でお母さんでもあります。
一所懸命仕事に取り組んでもらえれば、どんな方にもチャンスはありますよ。

多くのスタッフがお客様の「幸せの時」を想い、日々お菓子作りに励んでいます

 

ーお店についてお聞かせください

ー湯之谷店はリニューアル後喫茶スペースができました
 魚沼市内ではあまり見かけないスタイルの店内装飾ですね

お菓子を売る以外にも、おしゃれなところに行くということを楽しんで欲しいと思って設計しました。

特に用事がなくても行きたくなるようなお店づくりを目指しています。

やわらかな明かりに包まれた店内

 

ー和菓子の種類も豊富です

水まんじゅう、鮎もなか、笹あんこ、とろ生水ようかんなどを出していますが、和菓子には一定の需要があります。
和菓子職人の方が来てくれたので、和菓子にも力を入れています。

実は私が大の和菓子好きなんです。

あんこ大好き!

コンビニで練り羊羹を買っちゃうくらい好きです(笑)

ーお客様からの要望にもかなり応えたお菓子作りをされています

最近の傾向として、SNSにあげられているものと同じものを作ってくださいと言われることが多くなりました。

お客様も自分自身で情報を得られるようになって、ケーキの流行が目まぐるしく変わるようになってきました。

今の流行はジェンダーリビールケーキでしょうか(赤ちゃんの性別をサプライズで発表するケーキ)

 
ー会社のPRをお願いします

魚沼に帰ってきて6年。
売上も上がり、新しい事にも挑戦して進化し続けている若い会社です。

ハマればとても楽しく仕事をしてもらえると思います。
やる気があれば、いろいろな仕事を任せますし、チャンスもあります。

景色が色々と変わっていくことを望んでいる人にはとても良い環境だと思います。

 新型コロナウイルスの影響は製菓業界にもありますが、お菓子は社会的に必要なものであり、本町店周辺は年配の方がたくさん住んでいる地域です。
そこに歩いて買いに行けるお菓子屋さんである事。

お菓子屋のライフラインとしていたいですね。

 

―ありがとうございました

 

華やかな舞台の裏には大変なことがたくさんある。
お菓子屋さんに限らず、どのような仕事にも言える事です。
しかし、社長のお話しからは、福利厚生の改善など少しずつ更に働きやすいように変えている最中であることがうかがえました。
また、「年配の方も歩いて買いに行けるお菓子屋のライフラインでありたい」という言葉には、地元の方に愛され、長く続くお菓子屋としてのプライドを感じました。
試行錯誤を繰り返しながら、お菓子にも仕事環境の改善にも力を注ぐ若き社長のお菓子愛は半端なく、製菓学校卒の筆者もとても楽しい時間となりました。

インタビュー後、喫茶スペースで社長一押しのケーキをいただきながら見る店内には、特別な「時」のためのお菓子を買い求めるお客様が途切れることなく来店し、笑顔があふれていました。

我こそはお菓子に愛を持っている!という気持ちをお持ちの方は、ぜひお問合せください。

 

会社情報

有限会社甘泉堂 

【本店】
〒946-0041
新潟県魚沼市本町2−8
電話番号:025-792-0419

【湯之谷店】
〒946-0076
新潟県魚沼市井口新田701−1
電話番号:025-793-2777

詳細な情報は、Facebookページをご参照ください。