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魚沼の魅力を映像を通して伝える「魚沼フィルムコミッション」を知る!

映画をまちづくりの入口のひとつにー

映画『あぜみちジャンピン!』の撮影の一コマ

 

映画のエンドロールやドラマのエンディングを見ていると、〈ロケ地協力〉として目にすることが多くなったフィルムコミッション。

多くは地域名が冠されているので、旅行などで訪れた地や知っている地域であれば「あの地で撮影されたんだ」と、何だか作品に親しみが感じられます。

ましてや、よく知る地元を映画やドラマの主人公たちが歩いていたら、「ここ知ってる!」「ここ行ったことある!」と盛り上がり、観る楽しさもひとしおです。

今回は、映画やドラマの撮影をまちづくりの入口の一つとして考えている「魚沼フィルムコミッション」代表の猪又孝さんにフィルムコミッションに対する想いをうかがいました。

 

※フィルムコミッションとは、映画やTVドラマ、CMなどの撮影地(地域の自然、町並み)を製作会社側に紹介、誘致し、円滑なロケーション活動を支援(エキストラの手配等)する非営利組織。

フィルムコミッションには様々な波及効果があり、地域活性化を推進する組織として全国的に注目を集めている。

 

―魚沼フィルムコミッションはいつ頃設立されたのでしょうか

平成17年頃に新潟県の事業として設立に向けた協力者の募集があり、集まった協力者10数名で設立されました。

 

―現在は何名くらいで活動されているのでしょうか

現在は2~3名で動いていて、魚沼市観光協会や(一財)地域づくり振興公社の方々と組んで仕事をすることが多いです。

以前は公務員でしたので、様々な部署を経験する中で多くの人と関わってきました。
「こういうシーンが撮りたい」と思ったときに協力してもらいやすいです(笑)

映画やドラマの撮影をまちづくりの一つとして考え、色々な方が協力してくださると魚沼の魅力をさらに発信しやすくなると思っています。

 

―フィルムコミッションの仕事を教えてください

ロケ地提供の他に出演者の弁当の手配、休憩所、トイレの確保、ロケバスを停めるところや道路許可も取ります。
エキストラの手配も大切な仕事ですね。

 

―もともとフィルムコミッションに興味があったのでしょうか

平成10年頃、新潟日報社(地方新聞社)の六日町支局に勤務されていた方からロケ支援によって街中に賑わいが出るという話を聞いたのがきっかけで、魚沼フィルムコミッションが設立される前から個人的にいくつかのロケに携わった経験もあり、以前からフィルムコミッションの設立に興味がありました。

映画『ホワイトアウト』では市内の各庁舎や大湯スキー場、奥只見ダムに向かうトンネルなどを利用して撮影してもらいましたし、TVドラマ『エジソンの母』では、雪の日に魚野川の土手で撮影を行っていただいたこともあります。

このような作品のロケに携わった経緯があり、また映画やドラマの撮影を行うことで街中に賑わいが出ればよいと考え、フィルムコミッションの設立を推進しました。

 

―魚沼フィルムコミッションが関わって撮影された主な作品を教えてください

まず、2011年公開の西川文恵監督作品映画『あぜみちジャンピン!』です。

2011年は東日本大震災があり、リーマンショックも重なってなかなかスポンサーが見つかず大変な状況でしたが、世界中の映画祭に出品して注目を集め公開することができた映画です。

市内の様々な場所で撮影されましたし、また、エキストラ大作戦として多くの市民の方に参加していただいている作品でもあります。

エンドロールにエキストラ全員の名前が載っているんですよ!
撮影に参加された人にとっては良い思い出になっていると思います。
ちなみに、わたしの姪もダンスグループの一員として出演しています。

もう一つは、黒崎博監督作品映画『冬の日』です。
撮影があることは一般の方には知らされていませんが、冬の日に長澤まさみさんや風吹ジュンさんが小出の街中を歩いていると聞きつけた人たちが見学に来たりしました。

その他の映画では『虹の女神』『ケルベロスの肖像』『勝手にふるえてろ』『コーヒーが冷めないうちに』などがあります。

岡新田 関農園にて映画『あぜみちジャンピンッ!』

玉川酒造にて映画『虹の女神』

 

―多くの作品に魚沼の景観が使われているのですね

映画の他にも『川、いつか海へ』『私の嫌いな探偵』などのTVドラマや『ザ!鉄腕!DASH!!』などのバラエティ番組のロケ地にも利用していただいています。

NHKの大河ドラマ『天地人』の最終回は守門にある国の重要文化財「目黒邸」で撮影が行われたのですが、その時はエキストラに少年が必要と言うことで、急遽部活帰りの中学生に声をかけて集まってもらいました。

何だかよくわからないうちに呼ばれて着物を着せられて、一人はセリフもあって。
こちらも良い思い出になっていると思います。

 

小出駅前にてTVドラマ『川いつか海へ』

大河ドラマ『天地人』最終回・地元のエキストラの皆さん

 

 

―フィルムコミッションの今後の展望を教えてください

魚沼市出身の有名人として、渡辺謙さんやおばたのお兄さんがいらっしゃるので、その方々の出演作品が撮れるといいなと思います。

ロケは経済効果だけでなく、聖地巡礼など観光にも波及する効果もあります。

魚沼市は豪雪地帯なので、雪が登場する撮影は過酷かもしれませんが、良いシーンが撮れると思うので、小泉八雲の『雪女』などは魅力的な映画になると思うのですが…

また、今は映画『モノクロームの少女』や『おかあさんの被爆ピアノ』を手掛けた知人の五島利弘監督に、鈴木牧之の「北越雪譜」を映画化したらどうかと働きかけを行っています。

魚沼市に映画館はありませんが、市民による市民のための文化会館である「小出郷文化会館」があります。

小出郷文化会館が立ちあがったストーリーも「文化会館物語」として本になっているので、こちらも親交のある矢口史靖監督にメガホンを取ってもらい、映像化できたらと夢は膨らみます。
魚沼地域特有の映画が撮れて、映像として一生残るような形となり、小出郷文化会館の「映画の専門店」で上映されたら素敵ですね。

矢口史靖監督とロケハン

 

―ありがとうございました

 

筆者自身もフィルムコミッションに興味はありましたが、「まちづくりの入口」という概念はありませんでした。

映画やドラマに関わる方々が来るだけでなく、ロケ地巡りに人々が訪れて賑わいが生まれたり、映像を通して魚沼を客観視することで改めて良いところに気づいたり、多くの方々に魚沼を観て知ってもらうことで愛着や誇りが生まれるのだと思いました。

自身の住む地域が映像という形になり、後世に伝えることができる映画やドラマ。
これからも魚沼フィルムコミッションの活動に注目していきます。

 

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魚沼フィルムコミッション
代表者:猪又孝
連絡先:090-7238-2744
Facebook:魚沼フィルムコミッション